この度、腫瘍内科医会代表を拝命致しました高山です。初代石岡千加史先生、谷本光音先生、元雄良治先生の後を受けてご指名を賜り、責任の重さを感じております。がんの診断及び治療が大きく進み、がん診療を担う医師の役割もますます大きくなってきていると思います。運営委員及び会員の先生方と一緒に、ますます腫瘍内科医会を発展させて行ければと考えております。 腫瘍内科医会の大きな活動の1つとして、内科学会総会会期中に腫瘍内科医セミナーを開催しており、今年も元雄前代表の立案で素晴らしい会を計画しておりましたが、残念ながらCOVID-19により、10月22日(癌治療学会会期中)に延期となりました。まだCOVID-19の蔓延が終焉しておりませんので、10月開催の可否については慎重に判断させて頂きます。 ご存知の通り、腫瘍内科医会設立の最大の目的は日本内科学会の中に腫瘍領域を創出し、専門医として認めて頂くことでした。皆さんのお力添えにより、昨年無事、日本内科学会のサブスベシャルティの1つに腫瘍内科が加わることができました。しかし、現行の腫瘍内科の研修システムではまだ十分ではありません。「腫瘍内科」は、3年間 内科と連動研修を行わないサブスベシャルティの範疇に入っており、将来的に腫瘍内科に進む先生が少なくなるのではないか、という懸念があります。 腫瘍内科に進む先生は、経歴から大きく2つに分けられると思います。1つは、大学卒業後に初期研修を終了し、直接大学病院や腫瘍内科学教室(腫瘍センター)に入る先生です。もう1つは、消化器内科、呼吸器内科、血液内科などの教室に入り、その中で癌の治療を中心的に行うようになる腫瘍内科の先生です。腫瘍内科を発展させるためには、両者を幅広く増やすことが重要であると思われます。今後、全国において腫瘍内科専門医の研修体制を整えるとともに、より良い研修システムのあり方についても検討していく必要があると思います。また、腫瘍内科専門医を数多く育成するとともに、腫瘍内科としてのアイデンティーを築くことも重要であると思われます。 上記のような活動に加え、内科学会総会や米国内科学会日本支部の総会等において、若手の医師に腫瘍に関する演題を多数ご発表して頂き、腫瘍内科をアピールしていければと考えております。 文科省のがんプロも第3期を迎え、日本全国でがんプロ関連の活動や組織も軌道に乗りつつあるかと思います。今はCOVID-19の流行で必ずしも十分な活動ができていないかもしれませんが、地域のがんプロ活動などとも連携して、腫瘍内科の活動を促進できればと思います。ちょうど、本会の運営委員の先生方も大幅に増えましたので、新しい体制で本会の活動を活発化していければと考えております。まだまだ至らぬところがあるかもしれませんが、会員の皆様のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
この度第3代の腫瘍内科医会代表を拝命致しました。初代石岡千加史先生、2代谷本光音先生のあとを継ぐという重責ですが、これまでの先生方のリーダーシップのもとに発展してきた腫瘍内科医会(以下、本会)をさらに充実させていきたいと念じております。幸いここ数年で運営委員をして頂ける腫瘍内科の先生方が大幅に増え、素晴らしい企画力・行動力・指導力を備えた陣容で本会を前に進めることができると期待しています。 本会の目的は日本内科学会の独立した一分野として腫瘍内科を確立することです。そのために本会の呼びかけで、毎年の日本内科学会総会には多くの腫瘍内科関連の演題を全国から応募して頂き、全演題の約10%を占めています。また米国内科学会(ACP)日本支部の総会でも毎年本会のシンポジウム・ワークショップが採択され、若い医師や学生に腫瘍内科と本会をアピールしてきました(2016年6月で4回目)。そして2015年度の日本内科学会の研修カリキュラム改訂にあたり、腫瘍内科が「総合内科V(腫瘍)」という名称で入りました。今後内科医をめざす医師は必ず腫瘍内科の研修を経験することになります。本会が主催する行事では、日本内科学会総会期間中に腫瘍内科医会セミナーがあります(2016年4月で第7回)。教育・地域連携などを中心に毎回重要なテーマを取り上げ、基調講演とパネルディスカッションによって議論を深めてきました。 がん患者さんに最適の治療と全人的ケアを実践できる腫瘍内科医の育成はわが国の医療全体にとっての急務です。本会の活動によって、次代を担う医師の中から一人でも多くの腫瘍内科を志す人材が現れることを心から祈ります。運営委員の多くの先生方の教室(医局)のホームページのリンク先に本会を加えて頂いております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。