腫瘍内科医会
サイトマップ
ホーム
代表・歴代代表挨拶
腫瘍内科医会の沿革
入会申込
研修医・医学生の皆さん
役員名簿
各種委員会
会則抜粋
次回セミナー予定
過去のセミナー
事務局・連絡先
お知らせ
関連リンク集
会員所属施設リンク集
ホーム > 代表・歴代代表挨拶
代表・歴代代表挨拶

代表挨拶

第5代代表(2024−)
川崎医科大学 瀧川 奈義夫

皆様

 この度、第5代腫瘍内科医会代表を拝命いたしました瀧川奈義夫と申します。歴代代表の石岡千加史先生、谷本光音先生、元雄良治先生、高山哲治先生の後を受け、重責を感じるとともに、これまでの努力を継承し、更なる発展を目指して参ります。
 腫瘍内科医会は、2009年に日本内科学会の会員のうち、全国の大学の腫瘍内科系講座に所属する医師・教員を中心として結成されました。会の目的は、一刻も早いがん制圧を目指し、医学部・医学系大学院・卒後教育における腫瘍内科学教育・実習カリキュラムを確立し、優秀な腫瘍内科医を養成し、全国の医療施設におけるがん薬物療法を中心とする腫瘍内科の診療体制の確立、普及とその発展を目指すことにあります。また、これらの活動を通じて、日本内科学会の発展、さらには日本における医学の発展にも寄与することを目指しています。
 昨今、遺伝子パネル検査による臓器横断的な遺伝子異常が発見され、それに対する分子標的薬を用いての治療がそれぞれの専門領域を超えて行われています。また、希少がんではこれまでの専門医制度の中では患者さんが「がん難民」となってなかなか治療に結びつくことが少ない状況もあります。加えて、がん薬物療法のひとつである免疫チェックポイント阻害薬は多くのがんに適応となってきましたが、全身に有害事象をもたらすため、全身管理を含めた内科一般の知識は必須となっています。このように、各専門領域の垣根をこえて、幅広い悪性腫瘍のトレーニングを積んだ医師が腫瘍内科学全般を学ぶ機会が必要となっています。日本臨床腫瘍学会の会員は内科医だけではありませんが、がん腫を横断した活動としては、私たちの理念に近いと思われます。
 日本臨床腫瘍学会とともに取り組むべき重要な課題は多岐にわたります。まず、現在の研修システムでは、専攻医が内科と連動した3年間の研修を行わないサブスペシャリティの範疇に入っており、将来的に腫瘍内科に進む医師が減少する懸念があります。これを打開するために、J-OSLER、研修体制、専門医試験・更新などの研修システムの改良を図り、腫瘍内科医の育成に力を入れてまいります。一方、会員の背景としては、呼吸器、消化器、血液などの専門医を既に有している、あるいは目指している方も多いので、第二のサブスペシャリティとして内科領域全般のがん治療を行う腫瘍内科医を増やすことも重要です。また、全国の腫瘍内科医が一丸となって腫瘍内科医会の活動を推進し、腫瘍内科としてのアイデンティティを確立することが必要です。日本内科学会総会・講演会はもとより、各支部の地方会も含めて、若手医師や学生に腫瘍内科の魅力を伝え、多くの優秀な人材をこの分野に引き込むため、セミナーやワークショップの開催を通じて積極的に情報発信を行いたいと思います。腫瘍内科医会が臨床腫瘍学会とともに、地域のがん診療体制の強化に貢献していく所存であります。これにより、がん患者さんに最適な治療と全人的ケアを提供できる腫瘍内科医の育成に寄与して参ります。
 皆様のご支援とご協力を賜りながら、腫瘍内科医会の発展に尽力してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。



歴代代表挨拶

第4代代表(2020−)
徳島大学 高山 哲治

 この度、腫瘍内科医会代表を拝命致しました高山です。初代石岡千加史先生、谷本光音先生、元雄良治先生の後を受けてご指名を賜り、責任の重さを感じております。がんの診断及び治療が大きく進み、がん診療を担う医師の役割もますます大きくなってきていると思います。運営委員及び会員の先生方と一緒に、ますます腫瘍内科医会を発展させて行ければと考えております。
 腫瘍内科医会の大きな活動の1つとして、内科学会総会会期中に腫瘍内科医セミナーを開催しており、今年も元雄前代表の立案で素晴らしい会を計画しておりましたが、残念ながらCOVID-19により、10月22日(癌治療学会会期中)に延期となりました。まだCOVID-19の蔓延が終焉しておりませんので、10月開催の可否については慎重に判断させて頂きます。
 ご存知の通り、腫瘍内科医会設立の最大の目的は日本内科学会の中に腫瘍領域を創出し、専門医として認めて頂くことでした。皆さんのお力添えにより、昨年無事、日本内科学会のサブスベシャルティの1つに腫瘍内科が加わることができました。しかし、現行の腫瘍内科の研修システムではまだ十分ではありません。「腫瘍内科」は、3年間 内科と連動研修を行わないサブスベシャルティの範疇に入っており、将来的に腫瘍内科に進む先生が少なくなるのではないか、という懸念があります。
 腫瘍内科に進む先生は、経歴から大きく2つに分けられると思います。1つは、大学卒業後に初期研修を終了し、直接大学病院や腫瘍内科学教室(腫瘍センター)に入る先生です。もう1つは、消化器内科、呼吸器内科、血液内科などの教室に入り、その中で癌の治療を中心的に行うようになる腫瘍内科の先生です。腫瘍内科を発展させるためには、両者を幅広く増やすことが重要であると思われます。今後、全国において腫瘍内科専門医の研修体制を整えるとともに、より良い研修システムのあり方についても検討していく必要があると思います。また、腫瘍内科専門医を数多く育成するとともに、腫瘍内科としてのアイデンティーを築くことも重要であると思われます。
 上記のような活動に加え、内科学会総会や米国内科学会日本支部の総会等において、若手の医師に腫瘍に関する演題を多数ご発表して頂き、腫瘍内科をアピールしていければと考えております。
 文科省のがんプロも第3期を迎え、日本全国でがんプロ関連の活動や組織も軌道に乗りつつあるかと思います。今はCOVID-19の流行で必ずしも十分な活動ができていないかもしれませんが、地域のがんプロ活動などとも連携して、腫瘍内科の活動を促進できればと思います。ちょうど、本会の運営委員の先生方も大幅に増えましたので、新しい体制で本会の活動を活発化していければと考えております。まだまだ至らぬところがあるかもしれませんが、会員の皆様のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。



第3代代表(2016-)
金沢医科大学 元雄 良治

 この度第3代の腫瘍内科医会代表を拝命致しました。初代石岡千加史先生、2代谷本光音先生のあとを継ぐという重責ですが、これまでの先生方のリーダーシップのもとに発展してきた腫瘍内科医会(以下、本会)をさらに充実させていきたいと念じております。幸いここ数年で運営委員をして頂ける腫瘍内科の先生方が大幅に増え、素晴らしい企画力・行動力・指導力を備えた陣容で本会を前に進めることができると期待しています。
本会の目的は日本内科学会の独立した一分野として腫瘍内科を確立することです。そのために本会の呼びかけで、毎年の日本内科学会総会には多くの腫瘍内科関連の演題を全国から応募して頂き、全演題の約10%を占めています。また米国内科学会(ACP)日本支部の総会でも毎年本会のシンポジウム・ワークショップが採択され、若い医師や学生に腫瘍内科と本会をアピールしてきました(2016年6月で4回目)。そして2015年度の日本内科学会の研修カリキュラム改訂にあたり、腫瘍内科が「総合内科V(腫瘍)」という名称で入りました。今後内科医をめざす医師は必ず腫瘍内科の研修を経験することになります。本会が主催する行事では、日本内科学会総会期間中に腫瘍内科医会セミナーがあります(2016年4月で第7回)。教育・地域連携などを中心に毎回重要なテーマを取り上げ、基調講演とパネルディスカッションによって議論を深めてきました。
がん患者さんに最適の治療と全人的ケアを実践できる腫瘍内科医の育成はわが国の医療全体にとっての急務です。本会の活動によって、次代を担う医師の中から一人でも多くの腫瘍内科を志す人材が現れることを心から祈ります。運営委員の多くの先生方の教室(医局)のホームページのリンク先に本会を加えて頂いております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。



第2代代表(2012-)
岡山大学 谷本 光音
 このたび腫瘍内科医会初代代表石岡千加史先生の後任として、2012年4月から代表を務めさせていただくことになりました。これまで4年間、順調に発展してきていた腫瘍内科医会の勢いを緩めることなく、さらに活動を継続発展させたいと思いますのでご協力の程よろしくお願いいたします。
 石岡先生が設立された本会は、これまで過去に3回の腫瘍内科医会セミナーを日本内科学会総会期間中に同時開催して参りました。本年も京都市内においてテーマ「腫瘍内科はなぜ必要か」をとり上げ、講演とパネルディスカッションでは大変な盛り上がりがありました。しかし腫瘍内科医会の最大の目的である日本内科学会の中に腫瘍領域を創出するための活動については、これまで余り具体的かつ継続的に展開されてきたとは言えません。今後は、まずは日本内科学会の学術委員会ならびに編集委員会を中心に、私たちの専門である腫瘍領域の必要性を訴えていこうと考えています。また、両委員会のメンバーへの働きかけと並行して、各年度の学術集会長を中心に個別に、そして継続的に腫瘍領域の関連企画の開催を呼びかけていきたいと思っています。
 本年度は「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」が新たに採択された初年度でもあり、各大学には、がん診療の専門的な知識・技能を有する医師・医療人の養成を継続して行える教育拠点の形成が求められています。特に腫瘍内科医は、がんチーム医療の中心となるべき重要な存在であります。こうした社会と時代の要請という強力な追い風を受け、また腫瘍内科医会へ結集されている会員の方々の厚いご協力をいただき、腫瘍内科医会の目的を果たしていきたいと思いますので、ご指導、ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
ページの先頭へ ホームへ
腫瘍内科の在り方検討会の発足
初代代表(2009-2012)
東北大学 石岡千加史
 日本内科学会に消化器、循環器、呼吸器のように「腫瘍」の領域を作ることは、先輩の腫瘍内科医(当時はそう言っていなかった)の長年の夢であり、後輩の私達が引き継ぐべき大事な宿題であると考えています。私が東北大学で教室を主宰し始めた2003年(平成15年)当時は全国で地域の医師不足が社会問題でとなりましたが、がん専門医療従事者の不足はほとんど話題になっていませんでした。当時、2002年(平成14年)に日本臨床腫瘍研究会が発足したばかりで、その後、同学会によるがん薬物療法専門医制度の設立とにわかに専門領域としての腫瘍内科が認知されるようになりました。そして、2006年(平成18年)の厚生労働省による都道府県がん診療連携拠点病院強化事業、2007年(平成19年)のがん対策基本法の施行、同年の厚生労働省のがん対策推進基本計画の制定および文部科学省のがんプロフェッショナル養成プランの開始など、国のがん対策が本格化して、社会から腫瘍内科医は化学療法の専門家としての役割が大きく期待されるようになりました。
 このような時期に、徳島大学の曽根三郎先生と旭川医科大学の高後 裕先生のお2人の先輩から、「日本内科学会の会員として大学の腫瘍内科系の教授が結束して活動し、将来、日本内科学会の中に腫瘍領域を確立するための布石となる会を立ち上げてはどうか」とのお話をいただきました。わかりました、やらせていただきますとお答えしたものの、大変な仕事を引き受けてしまったと思いつつも数ヶ月は何も手を付けないでいましたが、丁度、がんプロ(東北がんプロフェッショナル養成プラン)の運営に分担コーディネータとして参加しはじめたころで、僅かながらも活動費が確保されたことから、2007年秋から私と同じような立場に立たれた全国の腫瘍内科系の教授の先生方にお声かけをして、2008年(平成20年)2月に「腫瘍内科の在り方検討会」を発足しました。当時、委員の先生方のほとんどは、がん拠点病院としての機能の充足、がんプロ大学院の設置、卒前の臨床腫瘍学講義の立ち上げ、発展途上の教室の運営など、共通の課題を抱えていらしたので、委員の先生方はお互いに意気投合し、その後の腫瘍内科医会の設立に繋がりました。そのきっかけとなった腫瘍内科の在り方に関するシンポジウムPDF(小生が所属または関連する加齢医学研究所と東北がんプロフェッショナル養成プランの合同で開催)を参照して下さい。この中で企画で開催された座談会は癌と化学療法誌に掲載されました(参考文献)。

腫瘍内科医会の設立
 腫瘍内科の在り方検討会での議論の中で、このグループの目指すところが次第に明確になり、会の名称を腫瘍内科医会としました。会の目的は会則にありますが、とりわけ、内科学会のおける腫瘍領域の設立に向けて如何なる活動を展開すべきかが運営委員会の議論の中心となりました。腫瘍内科の在り方検討会の委員がそのまま本会の運営委員になり、設立に当たって貴重な御意見を下さった曽根先生と高後先生の両先生に加え帝京大学の江口研二先生に顧問に就任いただきました。そして2009年(平成21年)4月11日に第106回日本内科学会講演会の会期中に同講演会会場の東京国際フォーラム内で設立総会を開催し、正式に腫瘍内科医会が発足し、同日に第1回全国医科大学腫瘍内科連携協議会設立記念シンポジウムPDFが開催されました。私は微力ではありましたが会の発足の経緯から初代の運営委員長件代表を務めさせていただきました。以後、腫瘍内科医会は毎年4月の日本内科学会年次講演会の会期中に同じ会場で総会とセミナーを開催することになり、第2回腫瘍内科医会セミナーPDFは2010年(平成22年)4月10日に東京国際フォーラムで、第3回腫瘍内科医会セミナーPDFは東日本大震災のため一旦中止後、2012年(平成24年)4月15日に京都のみやこめっせで開催されました。2010年(平成22年)には、会の円滑な運営と目的達成のために運営委員会の下に各種委員会(渉外委員会、広報委員会、財務委員会、プログラム委員会)を置き、運営委員全員が役割分担をしながらこの会を運営することになりました。2012年4月15日の総会から、代表(兼運営委員長)を岡山大学の谷本光音先生(2012年現在、日本内科学会理事)と交代し今日に至っています。

腫瘍内科医会の今後に期待すること
 21世紀の中盤に向かって、がん患者の数は増加し医療に占めるがん医療の役割は益々重要になります。内科医は、近い将来の日本の医療の枠組みの中で診断のみならずこれまで以上にがん治療に従事する必要があります。今後、会員は新代表の谷本光音先生のもとに結集して、腫瘍内科医会が日本内科学会におけるがん医療の推進のために一役買い、同学会においてできるだけ早く腫瘍領域が確立されることを期待しています。

参考文献
1. 石岡千加史,西條康夫,佐々木康綱,白尾國昭,柳原一広,矢野聖二,吉岡孝志:大学腫瘍内科のあり方. 癌と化学療法 35:1044-1052(2008)
2. 石岡千加史:シンポジウム開催・参加記 大学腫瘍内科の在り方に関するシンポジウム. 癌と化学療法 35:1039-1043(2008)

ページの先頭へ ホームへ